Pythonを使ってGoogle Driveにファイルをアップロードしたりダウンロードしたりして遊んでみました。

## はじめに
当方Google教原理主義者につき何から何までGoogleを利用していますが、もうデータベースまでGoogle様を利用することにしました。でも敬虔故に（？）無料で使用可能なGoogle Driveを今回は利用します。

## アップロードダウンロードの準備・流れ
Google Driveへのファイルアップロード・ダウンロードには[<strong>「Google Drive API」</strong>](https://developers.google.com/drive/api/guides/about-sdk?hl=ja)というライブラリが公式で用意されているためこちらを利用しましょう。またアップロード・ダウンロードするファイルには、前回[Pythonで株価情報を取得・チャート化してみた。](https://techblog.futosh1.com/blogs/python-stock-data)で使用したデータを使ってみたいと思います。全体の流れとしては以下の通りです。
1. Google Drive APIの有効化
2. Google Drive設定
3. csvファイルのアップロード・csvファイルのダウンロード

## 1. Google Drive APIの有効化
### APIの有効化
Google Drive APIを利用するにはGoogle Cloud Platform（以下GCP）からAPIの有効化が必要です。まずは[このリンク](https://console.cloud.google.com/marketplace/product/google/drive.googleapis.com?q=search&referrer=search&hl=ja&project=) にアクセスして"有効にする"のボタンを押してください。

### サービスアカウントの作成
続いてGCPで下画像の通りサービスアカウントを作成します。

#### サービスアカウントって？
[<strong>「サービスアカウント」</strong>](https://cloud.google.com/iam/docs/understanding-service-accounts?hl=ja)とはGoogle APIを利用するための認証情報の1種です。Googleは数多くのAPIを提供していますがAPIの利用には認証が必要になります。他の認証手段としては<strong>「APIキー」</strong>と<strong>「OAuth 2.0 クライアントID」</strong>の2つがありますが、それぞれ取得情報と取得主体に応じて以下のような使い分けがされています。
* APIキー・・・<strong>一般に公開</strong>されている情報を取得する際に、<strong>直接</strong>アクセスして利用します。
* OAuth 2.0 クライアントID・・・<strong>一般への公開・非公開にかかわらず</strong>情報を取得する際に、<strong>Googleアカウントを持つユーザー認証経由</strong>でアクセスして利用します。
* サービスアカウント・・・<strong>一般への公開・非公開にかかわらず</strong>情報を取得する際に、<strong>人間ではないサービスアカウント経由</strong>でアクセスして利用します。

例えば、Googleマップの情報やYouTubeの情報を取得する場合にはAPIキーが利用できますが、今回はGoogle DriveへのアクセスとなるためOAuth 2.0 クライアントIDもしくはサービスアカウントでアクセスする必要があります。しかし、OAuth 2.0 クライアントIDの場合、現在の当方の環境（外部ユーザへ開放されている、かつTesting版）ではRefresh Tokenが7日間で失効するという制約があったため、サービスアカウントを使用することにしました。

#### サービスアカウント作成
[こちらのリンク](https://console.cloud.google.com/apis/credentials?hl=ja&project=)からも飛べますが、GCPから"APIとサービス" > "認証情報"で下の画面に行けます。この画面から、"認証情報を作成" > "サービスアカウント"をクリックしてください。
<img src="https://res.cloudinary.com/hvz4uox2m/image/upload/v1/media/img/python-gdrive-updownload1_ttvbmv">
下画像の通りサービスアカウント作成画面に遷移したら、詳細を設定していきます。まずは赤枠の通りサービスアカウント名を入力しましょう。するとサービスアカウントIDが自動で入力されるので、それで問題がない場合はそのまま使用してOKです。サービスアカウント名とサービスアカウントIDが入力できたら、一旦ここでは完了ボタンを押してください。上画像のサービスアカウント欄に今作成したサービスアカウントが確認できると思います。
<img src="https://res.cloudinary.com/hvz4uox2m/image/upload/v1/media/img/python-gdrive-updownload2_fxtxki">

#### 秘密鍵作成
次に秘密鍵を作成しましょう。サービスアカウント欄に上で新規作成されたサービスアカウントが表示されていると思いますが、一番右にペンのアイコンがあると思います。それをクリックすると下画像のような"IAMと管理"というページに飛びます。画面左のナビゲーションで"サービスアカウント"が選択されていること、主画面上のタブで"キー"が選択されていることを確認した上で、"鍵を追加" > "新しい鍵を作成"というボタンを押してください。すると下画像の通りダイアログが出てきます。ここでキーのタイプを"JSON"の状態にしたまま"作成"ボタンを押すとJSONファイルがダウンロードされます。このJSONファイルがAPIを利用する際の秘密鍵となりますので、今回作成するPythonファイルと同じディレクトリに格納しておいてください。
<img src="https://res.cloudinary.com/hvz4uox2m/image/upload/v1/media/img/python-gdrive-updownload3_jrbmrt">

## 2. Google Drive設定
#### サービアカウントのメールアドレス
GCP側の設定が終わったら次はGoogle Drive側の設定ですが、その前に1つGCP側から重要な情報を控えてくる必要があります。メールアドレスです。2つ上の画像内で、サービスアカウントIDというものが出てきましたが、ここに"abcde-460@quicstart-~~~~~.iam.gserviceaccount.com"という情報があると思います。このメーアドレスがGoogle Drive側の設定で必要になりますのでコピーしておきます。コピーできたら早速Google Driveを開きましょう（※[URL](https://drive.google.com/drive/my-drive)）。
#### Google Driveに移動・設定
ここで適当にフォルダを作ってください。参考までに`sample_folder`としました。`sample_folder`内に遷移しパンくずリストの`sample_folder`をクリックし、下画像のように"共有" > "共有"を押してください。
<img src="https://res.cloudinary.com/hvz4uox2m/image/upload/v1/media/img/python-gdrive-updownload4_daonjd">
すると下のようなダイアログが出てきます。ここで先ほど控えておいたメールアドレスを入力して（任意ですが）"通知"を外すと"共有"ボタンが出てきます。これをクリックしたらGoogle Drive側の設定は完了です。これでPythonコードからアクセスできるようになりました。
<img src="https://res.cloudinary.com/hvz4uox2m/image/upload/v1/media/img/python-gdrive-updownload5_z7dv2t">

## 3. csvファイルのアップロード・csvファイルのダウンロード
ようやく準備が整ったので、最後にcsvファイルをアップロード・ダウンロードするための記述をしていきましょう。今回は`updown_sample.py`というファイルを作ってそこに記述していきます。また、先ほど作成したJSONファイルの秘密鍵を同じディレクトリ内に格納しましょう。格納する際にはこのJSONファイル名を`client_secrets.json`に変更しておいてください。


<script src="https://gitlab.com/-/snippets/3619823.js"></script>
<details>
<summary>「一行解説」を見る</summary>
<ol type="1">
<li>(l.3-20) 参考情報として前回<a href="https://techblog.futosh1.com/blogs/python-stock-data">Pythonで株価情報を取得・チャート化してみた。</a>で使用したデータをインポートして出力しています。</li>
<li>(l.22) 入出力に関わるモジュールをインポートします。今回は<code>BytesIO()</code>メソッドをダウンロード時に利用します。</li>
<li>(l.23) サービスアカウントを用いて認証を行うために必要なモジュールをインポートします。</li>
<li>(l.24) Google API サービスのクライアントオブジェクトを作成するためのモジュールをインポートします。</li>
<li>(l.25) ファイルのアップロード・ダウンロードに使用するモジュールをインポートします。</li>
<li>(l.27) 上でディレクトリに格納済みのサービスアカウントの秘密鍵のパスです。</li>
<li>(l.28) Google Driveにおいてアップロード先・ダウンロード元のフォルダのIDを指定します。先ほど、<code>sample_folder</code>というフォルダをGoogle Drive上に作成しましたがそのフォルダのIDとなります。IDについてはフォルダを開いた際のURLから取得できます。（URLの最後のディレクトリそのものです。）</li>
<li>(l.29) 今回利用するデータをアップロードするために格納するファイルの名前です。</li>
<li>(l.31-34) サービスアカウントの秘密鍵を利用して認証を設定します。引数にはサービスアカウントの秘密鍵のパスと、Google Drive API に対する読み取り/書き込みの権限を指定する<code>scopes</code>を設定しています。今回利用するスコープでは<strong>ドライブにあるすべてのファイルを表示・管理できます。</strong>なお、<code>scopes</code>の種類については<a href="https://developers.google.com/drive/api/guides/api-specific-auth?hl=ja">こちら</a>、<code>service_account</code>に関わるGitHubレポジトリは<a href="https://github.com/googleapis/google-auth-library-python/blob/main/google/oauth2/service_account.py">こちら</a>をご利用ください。</li>
<li>(l.36) Google Drive APIの<strong>「クライアントライブラリ」</strong>を<code>build()</code>メソッドを用いて作成します。クライアントライブラリとはGoogleのAPIと通信を行い様々な操作（取得・作成・削除等）するためのオブジェクトのようなものです。引数にはGoogle Drive APIを指す<code>"drive"</code>、対象のAPIのバージョンを指す<code>"v3"</code>、 (l.31-34) で設定した認証情報を指定しています。</li>
<li>(l.38-41) アップロードするファイルの名前と配置先のフォルダを指定するためにメタデータを指定します。</li>
<li>(l.43) Google Drive APIの<code>MediaFileUpload</code>というクラスを利用してアップロードのためのインスタンスを作成しています。第一引数にはアップロードしたいファイルのファイルパスを指定します。第二引数には<code>resumable=True</code>とすることで、アップロードが中断された場合に再開できるように、リジューマブル（再開可能）なアップロードを有効にしています。これにより大きなファイルのアップロード時に途中で接続が切れた場合に再開が可能となります。</li>
<li>(l.44) 実際に<strong>Google Driveにファイルをアップロードする</strong>部分です。<code>build()</code>メソッドで作成したクライアントライブラリに対して<code>.files()</code>メソッドを呼び出すことでファイル操作関連のリソースを呼び出します。さらに<code>.create()</code>メソッドでファイルを作成し、引数として<code>body</code>と<code>media_body</code>内にそれぞれ上で作成した<code>file_metadata</code>と<code>media</code>を指定します。<code>fields</code>にはレスポンスとして返される情報として今回は<code>id</code>のみ指定しています。最後に<code>.execute()</code>メソッドを呼び出すことで、処理を実行をします。これでファイルアップロードは完了です。</li>
<li>(l.48) これ以降はファイルダウンロードに関わる部分です。ファイルの有無を検索するためのクエリを作成します。</li>
<li>(l.49-50) ここでは<code>file_path</code>が空でない（具体的なファイル名が指定されている）場合、かつ<code>folder_id</code>が指定されている場合に、<code>parents</code>フィールドが指定されたフォルダ内で検索する条件を追加しています。これにより、特定のフォルダ内で指定されたファイル名に一致するファイルを検索する条件が構築されます。</li>
<li>(l.52) 実際に<strong>Google Drive内からファイルを検索する</strong>部分です。ファイル作成時でも利用した、<code>build()</code>メソッドで作成したクライアントライブラリに対して<code>.files()</code>メソッドを呼び出しています。ここでは検索を実行したいので、引数として (l.48) で作成したクエリを指定することで指定条件に一致するファイルを<code>.list()</code>メソッドで検索しています。</li>
<li>(l.53) 実行結果は辞書形式でその中の<code>"files"</code>キーに検索結果のファイルリストが格納されています。<code>.get()</code>メソッドを使ってこのキーにアクセスし、検索結果を取得しています。もし<code>"files"</code>キーが存在しない場合には空のリストが返されます。</li>
<li>(l.58-59) ここでは検索結果の有無で場合分けをしていますが、存在する場合には最初に見つかったファイルの情報にアクセスし、そのファイルIDを変数<code>downloaded_file_id</code>に格納しています。見つかったファイルは後でターミナルから確認できるように、 (l.59) の通り出力しておきます。</li>
<li>(l.61) (l.44)ではアップロードするために<code>build()</code>メソッドで作成したクライアントライブラリに対して<code>.files()</code>メソッドを呼び出してファイル操作関連のリソースを呼び出した上で<code>.create()</code>メソッドでファイルを作成しました。今度はパラメータに先ほどの変数<code>downloaded_file_id</code>を指定して<code>.get_media()</code>メソッドでファイルダウンロードの準備をします。</li>
<li>(l.62-63) ここでは (l.62) と (l.63) でダウンロードするファイルに対してのその形式を指示していますが、 (l.62) についてはお試しでローカルに書き込んでいるだけなので飛ばしてもらって構いませんが、もしこのコード例のようにローカルにダウンロードしたい場合は、引数にダウンロードする際のファイル名とバイナリでの書き込みを意味する<code>"wb"</code>を指定して<code>io.FIle()</code>メソッドでファイルを開きます。続いて、 (l.63) については<code>io.BytesIO()</code>メソッドを利用することでメモリ上に一時的にダウンロードするようにします。</li>
<li>(l.64-65) その後Google Drive APIの<code>MediaIoBaseDownload</code>クラスを利用して (l.61-63) で設定した情報をもとにそれぞれローカル・メモリにダウンロードするためのインスタンスを作成します。</li>
<li>(l.67-71) この部分については、 (l.73-77) でカバーしているため省略します。</li>
<li>(l.73-77) ここからインスタンスをもとに実際にデータをダウンロードしていきます。
<ul>
<li>(l.73) いきなり<code>done1 = False</code>としていますが、変数<code>done1</code>を<code>False</code>初期化することによってダウンロードが完了したかどうかを示すフラグを用意して、次の<code>while</code>に備えています。</li>
<li>(l.74-75) <code>MediaIoBaseDownload</code>クラス内の<code>next_chunk()</code>メソッドを呼び出して、複数のかたまりに分割して<strong>Google Driveからファイルをダウンロードする</strong>部分です。<code>status1</code>にはダウンロードの進捗情報が含まれ、ダウンロードが完了したかどうかを示すフラグが更新されます。</li>
<li>(l.76) <code>MediaIoBaseDownload</code>クラス内の<code>.progress()</code>メソッドを利用してファイルダウンロードの進捗率を表示します。</li>
<li>(l.77) 続いて (l.63) で作成した<code>io.BytesIO()</code>のオブジェクトである<code>fh1</code>に対して、<code>.seek(0)</code>とすることでファイルポインタの位置を"0"=先頭に戻しています。通常ファイルを読み取り後に再度同じファイルを読み取る際、ファイルポインタがファイルの最後に進んだままだと何も読み取れないません。そのためファイルポインタをファイルの先頭に戻しておくことで期待通り全データを取得できるようにしています。</li>
</ul>
</li>
<li>(l.79-80) 最後に取得したデータをDataFrame形式で出力しましょう。</li>
<li>(l.82-95) (l.7-20) と同じ結果が出力されていれば成功です。</li>
</ol>
</details>


これで`updown_sample.py`によるファイルのアップロード・ダウンロード設定が完了しました。

## まとめ

今回Google Drive APIの基本操作として「アップロード」、「検索」、「ダウンロード」の3種類を実行しました。CRUDなアプリケーションを作るのには物足りないですが、個人的にはデータベース代わりに少量のデータを保管・読み取りするだけなら使えそうだなという印象です（がいかがでしょうか？）。

PythonでGoogle Driveにファイルをアップロード・ダウンロードする。

HerokuのDB操作を学んでみました。

## はじめに
以前からHerokuに関する記事をいくつか作成していますが、今回は諸般の事情でDBのテーブルを削除する作業が発生しました。誤って消すと面倒なのでDBは必要に応じてしか触ったことがなかったのですが、せっかくの機会なので色々な操作を学び直してみました。

## Heroku Postgres
Herokuが公式にサポートしているDBは[<strong>「Heroku Postgres」</strong>](https://jp.heroku.com/postgres)という<strong>Herokuのプラットフォーム上で動くPostgreSQL</strong>だけなので、その前提でDBを操作していきます。Heroku Postgresは、Heroku SchedulerやCloudinaryと同様に[add-ons](https://elements.heroku.com/addons/heroku-postgresql)から追加可能です。追加後、環境変数には自動でPostgreSQLのURLが追加されます。

## 操作
今回はDB操作だけでなく、Heroku CLI操作の基本も含めてまとめていきます。順序としては、ログイン〜DB情報表示〜DBバックアップの表示・作成〜DBバックアップのダウンロード〜DBテーブルのエクスポート・削除という流れで説明していきます。

### Herokuログイン〜DB情報表示
`heroku login`でログイン後、まずは`heroku pg:info`でDBの情報を確認しましょう。一部、数字をいじっていますが、こんな感じで表示されていると思います。
<script src="https://gitlab.com/-/snippets/2579216.js"></script>

### DBバックアップ表示
続いてバックアップ関連情報一覧の表示です。`heroku pg:backups`から確認できます。利用できる機能は以下の通りです。
* `=== Backups`・・・バックアップの作成履歴
* `=== Restores`・・・バックアップのリストア履歴
* `=== Copies`・・・バックアップのコピー履歴

バックアップの作成・リストアは実施履歴がないので、実施日時には何も表示されません。3行目の通り、バックアップ作成のために`capture`を利用しましょう。

<script src="https://gitlab.com/-/snippets/2579215.js"></script>

### DBバックアップ〜ダウンロード
それでは`heroku pg:backups:capture`でバックアップを作成します。8行目のように、`b002`というIDでバックアップが作成されたというメッセージが出ています。バックアップ作成後、再度`heroku pg:backups`でバックアップ情報を確認すると、`=== Backups`の欄に先ほどのIDが表示されていることが分かりますね。また同じテーブルに実施日時が表示されていますが、クソデカデータではないので2秒ぐらいで完了しているようです。

その後、`heroku pg:backups:download`で作成したバックアップをダウンロードします。コマンド実行後、デフォルトではコマンド実行時と同じ階層で、`latest.dump`という名前のファイルでダウンロードされます。

<script src="https://gitlab.com/-/snippets/2579217.js"></script>

### DBエクスポート（CSVファイル）
上の章ではDB自体のダウンロードをしましたが、こちらではより実践的にDB内のテーブルをCSVにエクスポートしてみます。
エクスポートする前に、CSVに落としたいデータがどのテーブル内にあるか確認しましょう。エクスポートしたいテーブルは`sample_group`テーブルに入っていそうです。
※なお今回は使用しませんが、SQLコマンドを操作するためには`heroku pg:psql`の他に、`$ heroku config`でHerokuで設定済みの環境変数を表示し`DATABASE_URL`の値を取得した後、`$ psql [DATABASE_URL]`でDBにアクセスする方法もあります。

<script src="https://gitlab.com/-/snippets/2579220.js"></script>
<details>
<summary>「一行解説」を見る</summary>
<ol type="1">
<li>(l.1) まずは<code>heroku pg:psql</code>でDBをSQLコマンドで操作できるようにします。今回は<code>psql</code>の後に、<code>[App Name]</code>と同時に<code>-c</code>を加えることでDBと接続させます。さらに、<code>"\d"</code>を追記することでデータベース内の全テーブルを表示します。</li>
<li>(l.10) <code>（4 rows）</code>とあるように、このDB内に4つのテーブルがあることが分かりました。エクスポートしたいテーブルは<code>sample_group</code>テーブルに入っていそうです。※ なお今回は使用しませんが、SQLコマンドを操作するためには<code>heroku pg:psql</code>の他に、<code>$ heroku config</code>でHerokuで設定済みの環境変数を表示し<code>DATABASE_URL</code>の値を取得した後、<code>$ psql [DATABASE_URL]</code>でDBにアクセスする方法もあります。</li>
<li>(l.12) 続いてエクスポートを実施します。(l.1) 同様に<code>heroku pg:psql</code>でSQLコマンドを操作できるようにします。</li>
<li>(l.18) すると今度は<code>[App Name]::DATABASE=></code>と表示されSQLが書けるようになります。ここで<code>\copy</code>を使ってテーブルを全選択した状態で最後にHEADERを加え列名が入った形でCSV出力を指示しましょう。コマンド実行時と同じ階層で<code>sample.csv</code>が作られているはずなのでこれで完了です。</li>
<li>(l.19) <code>COPY 10</code>は、列名含めて10行のデータが存在することを示しています。</li>
</ol>
</details>

#### 列を指定してエクスポートする
今回は(l.18) の通り`SELECT * FROM public.sample_group`としているのでテーブルがそのまま出力されてしまっていますが、先ほど出力した`sample.csv`を見ると`player`という名前の列があることが分かりました。そこで、`*`として全列を選択している部分について`player`に変更して改めてCSVエクスポートを実行すると`player`列の全値が出力できます。また同時に`WHERE`句を使えば、列内で条件に合った値のみを出力可能です。このあたりは一般的なSQLの構文ですので、[こちらの記事](https://qiita.com/tatsuya4150/items/69c2c9d318e5b93e6ccd)を参考にしてもらうと分かりやすいと思います。

#### Heroku Dataclipsを使用する場合
またCSVにエクスポートするだけならHerokuの[<strong>「Dataclips」</strong>](https://data.heroku.com/dataclips/)を使ってみても良いと思います。
詳しくは下の記事を参考にしてみてください。
* [HerokuのDataclips使ってみた。](https://techblog.futosh1.com/blogs/heroku-dataclips-howto)


### DBテーブル削除
バックアップ作成+CSVエクスポートの両方が完了したので最後にテーブルを削除します。
<script src="https://gitlab.com/-/snippets/2579222.js"></script>
上のコマンドを実行するだけですが、その際`ERROR:  cannot drop table sample_group because other objects depend on it`というエラーが出ることがあります。これは、他のテーブルを参照しているために発生するエラーですので、関連するテーブルを削除する必要があります。問題なく任意のテーブルが消せていたら、再度`DROP`すると`ERROR:  table "sample_group" does not exist`（=対象のテーブルが削除できたため）というエラーが出るはずですので、これで完了です。
## まとめ
DB削除は注意しましょう。バックアップだけは忘れないように実施しておきましょう。
### 参考
* [Heroku Postgres](https://jp.heroku.com/postgres)
* [Qiita - 【これだけ覚えてたらOK！】SQL構文まとめ](https://qiita.com/tatsuya4150/items/69c2c9d318e5b93e6ccd)

HerokuのDB操作いろいろ

HerokuのデータベースをDataclipsを使ってJSON出力してみました。

## はじめに
Herokuの無償版が近々使えなくなってしまうので、そろそろやばいと思い一旦データをどこかに出力・保管しておこう、ということでDataclipsを使ってみました。ビボーロクです。

## Dataclips使ってみた。
### Dataclipsとは
一刻も早くJSON出力したいので、ここは[公式](https://devcenter.heroku.com/ja/articles/dataclips)の説明をそのままお借りします。
> Heroku Dataclips を使用すると、Heroku Postgres データベースへの SQL クエリを作成し、その結果を同僚、サードパーティツール、パブリックと共有できます。データクリップの受信者は、そのデータをブラウザで表示できるほか、JSON および CSV 形式でダウンロードすることもできます。

要するに<strong>Herokuのダッシュボード画面からJSON・CSV形式でエクスポートできる機能</strong>ということですね。これは便利。急ぎで使ってみましょう。

### 使い方
Herokuへのログイン後は[Dashboard画面](https://dashboard.heroku.com/apps)が最初に表示されていると思うので、そこからデータクリップを操作できる画面に移動しましょう。まずは[Data画面](https://data.heroku.com/)に移動し任意のアプリケーションのDBを選択、<strong><i>Dataclips</i></strong>タブを選択します。すると<strong><i>Create Dataclip</i></strong>というボタンが現れるのでクリックすると下の画像のような画面が現れます。
<img src="https://res.cloudinary.com/hvz4uox2m/image/upload/v1/media/img/heroku-dataclips-howto1_oduno6">
ほとんどの項目・テーブルがグレーの網掛けでマスクしてあるので見づらくなってしまっていますが、画像上に記載の番号通り選択・記述するだけで任意のデータをエクスポートできます。
* ①・・・データクリップ名を指定します。データクリップ1つに対し、処理は1つ書くことができます。
* ②・・・プルダウンで処理を実行したいDBを選択します。
* ③・・・DB内に存在するテーブル一覧を確認することができます。
* ④・・・SQL文を書く欄です。今回はテーブルを丸ごと出力したかったので、そのように記述しました。
* ⑤・・・④で書いたSQLの結果が表示されます。
* ⑥・・・⑤で表示された結果をエクスポートする際の形式を指定します。JSONとCSVが選択可能です。

これだけ。ほんまに簡単。

### PostgreSQLとの接続
以上で出力の作業は完了していますので、暇があればこの先読んで見てください。
* ここでは、「PostgreSQLをCLIからも操作できるようにしておかないといけないなぁ」とふと思い立ったことから、接続だけできるようにということで設定方法をまとめています。というわけでまずはHerokuのPostgreSQLに接続します。
<script src="https://gitlab.com/-/snippets/2567487.js"></script>
* 早速エラーです。ローカルにPostgreSQLがインストールされている必要があるようですね。ということで親切に[公式ドキュメントのURL](https://devcenter.heroku.com/articles/heroku-postgresql#local-setup)が記載されているので中身を見てみると、[Postgres.app](https://postgresapp.com/)をインストールするように指示があるので、仰せのままに。インストール後はPATHを通すよう指示があるので実行します。
<script src="https://gitlab.com/-/snippets/2567488.js"></script>
* これでパスが通ったはずです。もう一度接続を試みます。
<script src="https://gitlab.com/-/snippets/2567489.js"></script>
* これでCLIで操作できる環境を構築することに成功しました。

## まとめ
Dataclipのおかげで我が子のように大事なデータをとりあえずローカルに保管できました。今後Herokuを使い続けるか他サービスに乗り換えるべきか検討したいです。ただし、いずれにしてもSQLは習得する必要があるので、個人的に勉強しておかないとなぁと思った次第です。今回は<strong>あえて</strong>お試しでテーブル内の全データを出力したかのような書きぶりでしたが、それしかできないだけですので、ここにて報告させていただきます。

### 参考
* [Heroku Dev Center  - データクリップとのクエリ結果の共有](https://devcenter.heroku.com/ja/articles/dataclips)
* [Heroku Dev Center - Heroku Postgres, Local Setup](https://devcenter.heroku.com/articles/heroku-postgresql#local-setup)
* [Postgres.app](https://postgresapp.com/)